桜をテーマにした作品を作るのが大好きな私は、桜の時期に個展を開きたいと思っておりましたので、目黒川にほど近い昔懐かしい雰囲気のある場所rusuで初めての個展をさせていただくことができたことは、とても良い想い出となりました。
幸運と長寿の美しい鳥、鶴
鶴-日本の幸運の象徴
私たち日本人は古くから鶴と深い関わりを持っています。
姿の美しい鶴は日本の昔話や音楽、絵画など様々なシチュエーションに登場します。
また、鶴はただ美しいだけでなく、健康長寿の鳥、繁栄の鳥として、縁起の良い鳥とされています。
日本でのことわざで、“鶴は千年、亀は万年”というものがあるように、鶴は長寿であり、
また、“鶴の一声”と言われるのは、鶴の鳴き声は大きく、天国にまで届くとされている所以です。
さらに、鶴がつがいとなると、一生同じパートナーと共に過ごし決して離れることがないことから、鶴のつがいは“円満な夫婦”の象徴ともされます。
このような理由から、特に結婚式では、おめでたい鳥としてよく登場します。
結婚式の着物、十二単などの柄、結婚式場の飾り、結婚式での祝辞など、多くの場面で鶴が使われるのです。
鶴はとてもおめでたい縁起の良い鳥であることから、鶴をモチーフとしたものを持つことは幸運や長寿を呼ぶものとされています。
私自身も、この美しいだけでなくありがたい鶴を掛け軸に描くことがとても好きなのです。
幸運を呼ぶミニチュア折り鶴アート
折り鶴とは折り紙で作られた鶴。
折り紙は、日本に昔から伝わる伝統的な遊びでありアートです。
折り紙の起源は定かではありませんが、6世紀頃に仏教の僧が伝えたと言われています。
また、最古の折り紙に関する記述は、1680年の井原西鶴による文献「一昼夜独吟四千句」です。
現代では、ORIGAMIは世界に知られる言葉となっています。
そんな世界で普及している折り紙の代表的な作品は折り鶴。
折り鶴は日本ではいろいろな場面で登場します。
鶴は長寿や幸運の象徴とされ、折り鶴は特に、平和や健康を祈る場面で使われます。
ミニチュア折り鶴を作り、アクセサリーの中に閉じ込めることで、幸運を呼ぶジュエリーとなるのです。
日本の水墨画
日本の伝統的な絵画、水墨画。
水墨画は海外ではZEN Paintingと呼ばれることもあります。
墨絵は墨で描いた絵。
そして水墨画とは墨絵の一種で、黒から淡い灰色までのグラデーションが加わります。
水墨画に必要な主な材料は墨と呼ばれるもので、墨は煤、膠、香料から作られます。
硯に垂らした少しの水を墨ですることで、濃い黒い色が出来上がります。
この出来上がった黒いインクにさらに水を混ぜ、その混ぜる水の量によって黒のグラデーションを創り出すことができます。
日本では、水墨画は単に黒の絵だけでなく、墨をメインに使って少しの色を混ぜたものも水墨画と呼びます。
墨絵は奈良時代(710-794)にはすでに日本に存在しました。
そして、水墨画は鎌倉時代(1185 – 1333)に日本へ伝わり、室町時代(1336 – 1573)には禅寺と深く結びつき、人気となったそうです。
14世紀ころまでは水墨画の題材は主に、人物画や花鳥画と呼ばれるものでした。
15世紀にはいり、山水画が人気となります。
山水画の題材は、滝、岩、木、川、山などの自然です。
私自身では日本の自然や象徴を水墨画に描いています。
桜、竹、松、富士山、鶴、鯉などを主に描き、時には虎や龍なども加えます。
龍は日本では龍神と呼ばれる神であり、縁起が良いとされ、掛け軸にもよく登場するものです。
虎もその鋭い瞳で邪悪を取り払うという意味で家を守るとされ、縁起物として掛け軸の題材とされます。
このように日本の自然だけでなく、縁起物の象徴も水墨画にとりいれ、日本の美をユニークな水墨画のグラデーションで表現することができるのです。
日本文化 日本の象徴 富士山
日本の象徴、富士山。
日本人ならば誰でも知っている山。
そして、日本に興味ある外国の方、日本に来たことがある方ならば知っているであろう山。
関東平野にそびえたつ富士山は標高3,776.24m。
日本一の高さを誇る山です。
富士山は、その高さだけでなく、美しさにおいてもまた、日本の象徴として際立たせています。
完璧なまでの円錐形でそびえたち、白い雪を帽子のように被っている青い山の姿は本当に美しい。
そして、驚くべきは、300年以上前に噴火して、今もなお噴火の可能性のある活火山。
昔から、日本人は富士山を愛し、敬い、畏敬の念を持ってきました。
その富士山は、現在多くの日本画、掛け軸、水墨画、写真などに記されています。
季節によって、時間によって、さまざまな表情を見せてくれる富士山。
海の近くで生まれ育ち海派だった私も富士山の絵を描き続けているうちに、その独特な姿に魅了されてきています。
今や日本だけでなく、世界の人々をも魅了する山、富士山。
今後も多くの人を魅了し続けてほしい。