日本の伝統的な絵巻物と独自の風景画の横軸

絵巻物風の横軸を作る
絵巻物風の横軸日本画アート
絵巻物風の横軸日本画アート

Japanese EMAKIMONO style hanging scroll

日本の絵巻物スタイル掛け軸

絵巻物とは、日本の伝統的な横長の軸であり、絵で物語がつづられています。

右側から左側へと軸を広げていくと、物語が読み進められるようになっています。

そのため、長さは全長10メートルから長いもので20メートルを超えるものもあります。

日本の伝統的な絵巻物
日本の伝統的な絵巻物
日本の伝統的な絵巻物
日本の伝統的な絵巻物

現存すると言われる最古の絵巻物は奈良時代のもので、絵因果経(えいんがきょう)といわれ仏伝経典の代表的なものの1つです。

現存すると言われる最古の絵巻物の一部
現存すると言われる最古の絵巻物の一部

この絵巻物からアイデアをもらって、作りあげた横長の掛け軸。

素材には豪華絢爛な着物の帯を両端に使用しました。

豪華絢爛な着物の絹の袋帯
豪華絢爛な着物の絹の袋帯

中心の絵画部分は着物の正絹を使用。

正絹の着物反物
正絹の着物反物

この着物の正絹は柔らかい素材のため、裏側に掛け軸を作る際に使用される裏打ち用紙というものを貼り付けました。

裏打ち用紙は片面に糊がついていて、アイロンをかけることで、布に接着させることができます。

こうすることで、白の正絹の絵画部分もしっかりとしてハリがでます。

また、長さを2メートルにすることで、部屋の壁にも掛けられるサイズに仕上げました。

この横長の掛け軸には、横長に広がる風景画を描くことができます。

横長の軸に風景画を描く
横長の軸に風景画を描く

特に、日本の美の象徴である、富士山、竹林、桜、錦鯉は、私の最も好きな題材たちです。

これらをこの一つの風景画にすべて収めることで、独特の和アートを創り上げることができました。

過去には、縦長の掛け軸に日本の象徴である富士山、桜、竹林、錦鯉をたくさん描いてきましたが、なかなかすべてを一本の軸に収めることがむずかしく、今回の絵巻物スタイルの横長の軸ではそれを実現させることができたのです。

この絵巻物風の横軸を仕上げる様子を動画に収めましたのでご覧ください!

 

一期一会

お抹茶と菓子
一期一会
一期一会

禅の精神 一期一会

ZEN 禅
ZEN 禅

一期一会とは禅の精神で、“人生で一度だけの出会い”、という意味。

この精神は、禅と深いかかわりを持つ茶道からきているそうです。

初めて茶道を体験したときに、茶道にはたくさんの決まり事があることを知り、驚きました。

茶道
茶道

それまで茶道といえば、ただ単に抹茶を作ることだと思っていたのです。

実際には、一つ一つのすべての動作は決まり事に沿って行われる必要があり、その決まり事は、部屋に入る際の踏み出す足から、道具の持ち方、持つ位置、どこに道具を置くか、どんな角度で腕を動かすか、なつめの開け方、茶筅の持ち方、動かし方、などなど数えきれません。

茶を作る行程自体は数分というところなのですが、その決まり事の多さには驚かされました。

また、それは客人である側もしかり。

飲み方などにもたくさんの決まり事があるのです。

そして、なぜこんなにも細かい決まりごとが必要なのだろうと疑問に思ったのです。

そこで、茶道の先生から一期一会という禅の精神を教わったのです。

茶道とは、一瞬一瞬のすべてを楽しむという機会。それは、そこに集まった人たちであり、お天気であり、聞こえる音であり、目に入るものであり、そういった一つ一つのすべての要素が織りなすものが、今この瞬間というときを創り出し、その今という瞬間は二度と訪れることのない忘れがたい時。そのために、茶道にはおもてなしの精神が欠かせないといいます。

この忘れがたい時を創るために、最大限のおもてなしで客をもてなし、抹茶を煎じるのだそうです。

例えば、決まり事にのっとった形で行われる茶道の道具の清めは、客人の前ですることで、客人への尊敬の念を表していると言います。

また、客人が抹茶を飲む際の決まり事も、亭主や他の客への尊敬を表しています。

これらが多くの決まり事のある所以。

最善の時を創り出すための決まり事にのっとって生まれるその瞬間というものは、亭主と客が“人生で一度だけの出会い”を味わうことのできる時間なのだそうです。

「一期一会」は、私たちにすべての出会いの瞬間というものは二度と同じように再現されないということを教えています。

出会いの時というものを常に大切にし、感謝の念と共に相手をもてなす・敬うということを心にとめておきたいものです。

水墨画 禅と鯉
水墨画 禅と鯉

お抹茶と菓子